〝ゆえ〟の小窓~50 それは多分、恋する気持ち

2023年4月7日


恋する気持ちで責めを受け入れる……

〝ゆえ〟のモノローグ。記念すべき50回目の今回は、今まで書かなかった分野のテーマに!

では、どうぞ!

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今回は初めて、恋とか愛とかの方面で書いてみたいと思います。

当初、新米奴隷の〝ゆえ〟からの視点では、ご主人様は恋愛対象ではありませんでした。
年齢差も関係しているかもしれませんし、始まりが主従関係でしたので。

ご主人様と出会えたのも、ご主人様がSMを楽しめるパートナーさんをずっと探していたから……なのです。
そうなの?と思われた方は、過去のブログ記事の【大手サイトでM女を見つける方法】辺りを読んでみてください。

時に〝ゆえ〟のことを子供のように可愛がってくださったり、いつも大事にしてくださるのは、やっと見つけた【おもちゃ】だからであり、〝ゆえ〟を大人の女として好きとか愛とかの対象に見るなんてありえない。うんうん。と、一人で納得していました。

なので、最初の1〜2年は「こんなに素敵なご主人様が、〝ゆえ〟にばっかり時間を割いて良いのかな?素敵なご主人様を他のM女さん達とどんどんシェアすべきだと思うなぁ……」と本気で思っていました。


でも、その言葉をご主人様へ伝えたとき、気持ちの奥で何かがチクッとしたのです。

なんだろう?

〝ゆえ〟に対して、いつも真摯に接してくださる紳士なご主人様とは、主従の関係だけなのに……

なんだろう?

〝ゆえ〟はご主人様を独占したいのかな?
あれ……それって、めっちゃ欲深いのではないかしら?

何なの?この気持ち……

うーん……
おもちゃを取られたくない子供と同じなのかな?
でも、〝ゆえ〟は取られたくないおもちゃなんて、子供の頃に持って無かったから…わからないや。

うーん……
だいたい、〝ゆえ〟に独占されて喜んだ人なんて今までいた事ないし。
〝ゆえ〟みたいな人間が、ご主人様を独り占めなんておこがましいし。

あーー、考えてたら頭がグルグルする。

ご主人様の事を思い浮かべるだけで、動悸がするぅ。

こんなにもモヤモヤとまとまらない気持ちと、独占したいなんてわがままな思いを持ったままご調教を受けに行くなんて、ご主人様に対して失礼すぎると思うなぁ。

あぁ、奴隷はいくらでも見つかるのだから、〝ゆえ〟の事はそろそろ終わりにして頂きたいデス。

この一連の〝ゆえ〟の気持ちが後に、ご主人様との関係に危機をもたらす要因になりました。
恋愛なんてドラマや二次元の世界のもので、〝ゆえ〟みたいな女が出来るわけ無い。

実際、そういった事に気持ちを使わないと割り切っていた人生は楽でした。


今ではまるで女子学生のように

恥ずかしそうに「好きです」と
伝えてくれることもある

さて、現在。

〝ゆえ〟はご主人様への好意?愛情?……を、どのように表現したら良いか試行錯誤中です。

好きを伝える方法は?ラブラブとは?とGoogleへ訊ねるくらいです。

ご主人様はみかねて【ありがとうの代わりに愛していますを使うように】とご命令くださいました。

頑張って、〝ゆえ〟がボソっとでも口に出すと嬉しそうになさるので、どうやら正解みたい……と最近ようやく思えるようになりました。

が、ご調教中以外のお会いしている時間はご命令が終始継続なのかな?〝ゆえ〟の日本語はおかしくないかな?……手汗が半端ないぞ、口が上手く動きませぇん、ご主人様の目を見てお伝えするなんてまだ無理!いや…たぶんずっと無理……でして……。

全部ひっくるめて、やっぱり【ありがとうございます】で勘弁して頂きたいですぅ。

おしまい

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この〝ゆえ〟の気持ち、最初から理解していれば、きっと何度かあった危機も避けられたかもしれない。

でも、そうではなく、試行錯誤の末、時に感情が衝突したり、辛い思いをしたりすることで、次第にお互いを理解していく……、その過程も、実は大切なのかもしれない。

だから、危機に瀕することは決して悪い事じゃない。真剣にお互いが向かい合うかぎりは。もちろん避けられればそれに越したことはないけどね!

そして、まだ〝ゆえ〟にとって慣れない様子の「好きです」や「愛してます」という言葉を聞くたびに、幸せをしみじみと味わうご主人様だよ。