日の出と虹が主従関係の危機に苦しむ気持ちを救ってくれた朝
この記事、実はかなり前に書いたもの。少し修正してアップしておくね。
そのころ〝ゆえ〟は仕事やプライベートの関係で、体力的にも精神的にも相当に疲弊していた。
そんな中、久しぶりにまた関係が悪化した。
きっかけはご主人様の勘違いだった。
〝ゆえ〟のスケジュールをいつもチェックして管理しているご主人様。
その日、翌日の〝ゆえ〟のスケジュールを間違って認識してメール。
それを直後にわかりながら、修正せず、ちゃんとした対応ができなかったご主人様。完全にミスだよ。しまったと思った時には時、すでに遅し!
日々の疲れから気持ちが相当にダウンしていた〝ゆえ〟にダメ押しのような打撃を与えたようだった。
その日からメールが滞りがちになり、あらゆる手段で連絡をとろうと必死になったのだけれど、ついに返事も来なくなる。久しぶりの危機的状況。
果たしてその10日後、今回の危機以前から会う約束をしていた日、しかも一緒に旅をするという特別な予定の日。本当に来てくれるのだろうか?
もうこれで会えないのではないか、もし会えたとしても別れ話を切り出されるのではないかと不安に思ったご主人様は(Sだって時には不安にはなるのだよ)、珍しく、〝ゆえ〟が生まれる前に亡くなっている彼女のおじいさまと、こちらもすでに〝Y〟の亡き父親に心の中で祈ってしまう。〝ゆえ〟のおじいさま、〝Y〟は実際にお会いしたことは一度もないけれど、〝ゆえ〟が写真を見せてくれたことがあり、よく覚えている。
日頃は信心深くない〝Y〟。宗教も持たないけど、このところ、なぜかお二人が〝ゆえ〟と〝Y〟のことを温かい目で見守って下さっているような気がして……。
「どうか〝ゆえ〟と私を見守って下さい。どんな結果になろうとも、最終的には〝ゆえ〟が幸せになれますように」
そうなんだ。最悪の場合も一つの可能性としては想定していた。
そして当日、不安も頂天に達していた。あまり眠れない夜だったけど早朝に起き出す。かなり強い雨が降っている音が外でする。ますます今日の不安が高まる。
ところが……
10分ほどすると外が急に静かに。
カーテンを開けて窓から外を見ると、雨が止み、何と空が水平に、まるでハサミかカッターで切り取ったみたいに綺麗に真っ二つに分断されている。上は灰色の分厚い雲。下は青空。珍しい光景!
そしてその分断された下の方にまさに太陽が徐々に昇ってくる……。
見事な日の出に思わず見とれてしまう。
これって、反対側の空はどうなっているのかな……。
そう思って外に出て振り返ると、なんと、巨大な虹が!!
しかもアーチ全体が綺麗に見えている。
スゴイ!こんな完全な形の綺麗な虹を見たのは生まれて初めて!
そしてさらに時間の経過とともに虹はくっきりとしてきて、その外側にも虹が!
ダブルレインボー(二重虹)だっ!!!
見とれた〝Y〟。
ふと、耳許で〝ゆえ〟のおじいさまと〝Y〟の父親の声が聞こえた気がした。
「大丈夫」
と、まぁ、スピリチュアルっぽく聞こえるかもしれないけど、この瞬間、心の中の不安がすっかり消えたんだ!
まるで、突然に嵐が止んで見事な青空が広がったかのように。
そして約束の時間、駅のホームに現れた〝ゆえ〟。
結局、関係が無事に復活した。そして、一緒に素敵な旅の1日を過ごすことができたよ。

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