様々な人生を行き来するオーガズム~2 解除のサインは重要
ご注意:
前回の話同様、〝Y〟と〝ゆえ〟が体験した不思議な事実をありのままに書くけれど、こうした話が苦手な人はスキップしてね。あるいはフィクションだと思って読んでね。
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さて、数日後の話。(前回のくわしい話はこちら)
別人のような……、というより、わかりやすいファンタジックな言い方をすれば、〝ゆえ〟の過去生かもしれないイギリス英語を話す西洋人女性「K」さんの意識が〝ゆえ〟の中に突然現れて、〝Y〟に強烈な快感を呼び起こす素晴らしいテクニックを披露してくれた、あの時のフェラチオ。それを通常の意識下にある〝ゆえ〟が再現できるかどうか試してみたんだ。
まずはいつものフェラ……。
そうだよね、〝ゆえ〟のフェラは非常に巧みで上手なんだけど、前回の「K」さんのとは違う。
そこで、前回の「K」さんがフェラの時に動かしていた頭の動きを伝えて〝ゆえ〟にさせてみる。
最初は戸惑っていた〝ゆえ〟。
しかし、何度かトライするうちに次第にあの時のフェラに良く似てきた。
うん、やっぱり現実に出来るテクニックなんだ……と納得。
ただ、〝ゆえ〟にとっては過去経験したことがなく、まったく未知の動きだったことも確認。
本当に不思議だね。
さて、その日はその後、普通のセックスに移ったんだけど、やがて、〝ゆえ〟が連続イキを始める。やがて目隠しを取ると、表情が変化してきていた。
あ、そろそろご登場だね。
最近はそれとなくわかるようになって来た〝Y〟。
深く大きなイキの連続で、いつものように言葉を発することが出来なくなる〝ゆえ〟。
そうなると、やはり、別の人の意識が出てきたみたい。
ただ、振る舞い方を見ていると今回は「K」さんではない。以前も何度か出てきた別の人のようだ。
やがて、〝ゆえ〟の目から涙があふれ出す。
そして、〝Y〟が果て、セックスが終わった。
身体を起こし、〝ゆえ〟の顔を見てみると、どうやら、まだその別の人が残っているようだ。
そこで、考えていた事を実行に移してみる。
「今からゆっくりと5つ数えるよ。5つ数えたら意識が完全に〝ゆえ〟に戻るよ。いいね。1つ……、2つ……、3つ……、4つ……、5つ!」
と、ゆっくりと5まで数えた瞬間、〝ゆえ〟の表情が普段の表情にパッと戻る。
この劇的な変化に驚くとともに嬉しくなる〝Y〟。
効いた!!!
しばらく休憩して、ようやく〝ゆえ〟が普通に言葉を発することができるようになった。
〝ゆえ〟に「どうした、涙を流してたけれど……」と尋ねてみると、やはり、別人登場。今回は、いままでも何度か登場している日本人女性「W」さん(こちらは自分で自分をこう呼んでいるらしい)の意識が出てきたそうだ。
「W」さんから見ると、〝Y〟は以前、何度も一緒にセックスをしていた「Sさん」だと言う。
「S」さんは軍人さんのようだ。「W」さんにとっても優しくて、セックスをするときにはいつも甘い物をお土産にくださったそうで、それが嬉しくて「Sさん」と会うのを楽しみしていたという。
そして、今では〝Y〟となっている「S」さんとセックスしている〝ゆえ〟が羨ましくて仕方ないという意識もあるらしいんだ。
だから、今回は「W」さんの意識が入っている時に、〝Y〟が〝ゆえ〟に挿入しながら「好きだよ」などという言葉を耳許でつぶやくのを聞き、あたかも自分が「S」さんから言われているような気持ちになり、嬉し涙を流し始めたというわけ。そして、離れたくない、セックスを終わらせたくないという涙も。
なるほど。そういうわけだったんだね!
で、今回、前述のように数をカウントをしたみたのは、〝ゆえ〟のこの体験が催眠療法(ヒプノセラピー)と非常に良く似ており、ある程度なら〝ゆえ〟自身が意識をコントロールもできると判っていたから。
前回の記事の最後に書いたよね。
〝ゆえ〟にとって一つだけ困ることがあるって。
「セックスの直後は2つの意識が混乱することがあるので、ちょっと戸惑います」
そこで、今回のトライとなったんだ。
その結果を〝ゆえ〟に尋ねると、これはやはり「有効」だということが判った。きちんと意識の整理が出来たみたい。
おそらく、こうして過去の意識のようなものが現れるということは何かしら必然性があるから起きるのだろうし、そのことによって、催眠療法同様、〝ゆえ〟や〝Y〟が何かしらを学ぶことになるのではないかと思うよ。
幸い、このことによって身体や心に変調、あるいは実生活に問題を起こすということではないということも、それまでの体験から判っている。だから、これからも、全てそのままでも良いのかもしれない。
いわゆる「解離性人格障害(多重人格障害)」とは、そのあたりが大きく異なる。
ただ、そもそも、今回はセックス中の表情の変化などで別意識が現れたことがわかったけど、時によっては〝Y〟が適切に判断できないときもある。
終わった後で意識の解除をするためには、意識が混乱していると伝えてくれるようにと言ったら、
「でも、ご主人様、そういう時は快楽の果てなので、口が動かなくて、言葉が発せない事が多いんです」
そうだった!
「では人差し指を立てて見せなさい」
と命令。
その後、何度か同様の体験があるたびに〝ゆえ〟は人差し指を立ててくれるようになった。とはいえ、口同様、指も動きにくくて、なかなかすぐには伝えられないけど。
でも、それを見て、セックスが終わった後、カウントして、意識を元に戻させているし、今のところうまくいっているよ。
それにしても不思議だよね。こんなことがあるんだよ。
もちろん、唯物論的な立場でいえば、「K」さんも「W」さんもすべて〝ゆえ〟が子どもの頃に見て今は忘れているドラマや映画、小説などの記憶がそのまま残って出てきているという考え方ができるよね。そう考えると合理的だと思う。
でも、同時に同じ光景などを〝Y〟も見たり感じたりすることがあるというのは、なかなか合理的な説明が難しい。
今のところ〝Y〟が受けた催眠療法(ヒプノセラピー)での体験と仕組みが今回の不思議な体験には一番近い気がする。
今後、どう展開していくかわからないけれど、また、何かあれば報告するね。
そして、皆さんに前回同様にお願い。
ここに書かれた事は、安易にマネしたりはしないでね。
〝Y〟自身、催眠療法は過去に何度か受けていて、しかも、その勉強もしているからある程度の知識があるけれど、本来、専門家が行うべきことだから。その点はご注意を!